外貨建て預金との比較・違い
外貨預金の概要
ここでは、外貨建て預金と外国為替証拠金取引(FX)とを比較しています。また、 TTM,TTS,TTBなど外国為替レートの基本となる知識や外貨預金に挑戦しようとしている人のための知識もあります。
外国為替証拠金取引(FX)のほかに、日本の安い金利ではなく、欧米各国の高金利で利息を得ようとする商品として、 「外貨建て預金」があります。
外貨預金はみずほ銀行、三井住友銀行、東京三菱UFJなどの大手都市銀行やシティバンクなどの外銀、そのほかソニーバンク(銀行) などもで扱っていて、円をドルに換えて口座に定期貯金、 普通預金をして、その利息を獲得するものです。
2007年2月現在で、各外貨預金の口座の利息は以下のとおりです。
【シティバンク外貨預金の1年定期預金の金利】
米ドル : 3.70%
豪ドル : 4.61%
ニュージーランドドル: 6.03%
ポンド : 4.00%
ユーロ : 2.42%
これを見ると、日本の低金利から見れば、「おお!お得だ!」と思えます。
しかし、外貨建て預金には大きなデメリットが2つあります。
- 手数料が高い
- 取引時間が限定
これを外国為替証拠金取引(FX)との違いを比較しつつ見て行きましょう。
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外貨建て預金のデメリット1 手数料が高価
外貨建て預金を扱う銀行のホームページを見てください。TTMやらTTSなどわけの分からない英語3文字が出てきます。これらは、 銀行などが扱っている外国為替レートのことなのです。
基本の外国為替レートはTTMです。Telegraphic Transfer Middle rateの略で日本語では仲値と言います。 銀行などが顧客に対して10万ドル未満の外国為替取引をする際の基準レートとして用いる外国為替レートです。 各銀行が毎営業日の9: 55ごろの為替レートを参考に決定します。
それに対して、銀行などが外貨を売る(つまり、我々投資家にしてみれば、外貨を買う)ときの外国為替レートがTTSです。 Telegraphic Transfer Selling rateの略で日本語では売値と言います。例えば、米ドルの場合、 TTM+1円としているところが多いです。他の通貨ではTTMより1円以上高くなります。 外貨建て預金を始めるときやトラベラーズチェックを買うとき、外貨を送金するときなどで、 我々が円を外貨に交換するときに適用されるのがこのTTSレートです。
また、銀行が外貨を買うとき(我々投資家にしてみれば、外貨を売るとき)の外国為替レートがTTBです。 銀行が顧客に対して外貨を買い取るときの外国為替レートがこれです。米ドルの場合、TTMー1円となっている銀行が多いです。たとえば、 外貨預金を解約して、米ドルを円に換えるときなどが該当します。
通常、銀行で外貨を買うときは、買うときのレート(TTB)が適用され、売るときのレート(TTS)とは異なるものが適用されます。 したがって、例えば、ドルを買って、すぐに売ると、その差額分(スプレッド) が損になります。 このスプレッド分は銀行の手数料みたいなものになるわけです。
例えば、2007年2月現在で、シティバンクのTTBは1ドル=118.4円、TTSは1ドル=120.4円になっていますので、 買ってすぐ売ったとしても1ドル当たり2円損することになります。
実は、このスプレッドかなり大きいのです。
(例)200万円の外貨預金を1年間続ける。金利は4%。
TTBが1ドル=100円、TTSが1ドル=98円。
レートは1年後も同じであったとする
預金時 : 100万円÷TTB=1万ドルの預金
1年後 : (1万ドル+金利(400ドル))×TTS(98円)
=1,019.200円
となり、本来4%で金利が得られるはずが、実際は1.9%程度の利回りになってしまっています。
これでは、せっかくの外貨の高金利でも意味がありませんね。
ちなみに、たまに、ソニーバンク(銀行)やシティバンクなどでは外貨預金獲得のための8%や20% などの高金利キャンペーンなどをしていますが、多くは3ヶ月や6ヶ月などの短期間の外貨定期預金であり、 金利をもらってもスプレッドを差し引かれると、結局はマイナスになったりします。
外貨預金をするときはスプレッドも入れて損得を計算するクセをつけておく必要があります。
一方で、外国為替証拠金取引(FX)のスプレッドは、 銀行系の外貨預金のスプレッド(2円)の40分の1の5銭程度です。
どう考えても、外国為替証拠金取引(FX)の方がおトクですよね。
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外貨預金のデメリット2 取引時間が限定
外貨預金は銀行が開いている時間しかできません。
一方で外国為替証拠金取引(FX)は24時間取引することができます。
ただし、通常外貨預金をしようと考えている人は、頻繁に買ったり売ったりしようと考えているわけではなく、 一回預けたら数ヶ月置いておくというのが通常の取引形態でしょうから、銀行が開いている時間だけでも十分ということになります。
また、シティバンクなどではインターネットバンキングができるので、仕事から帰ってきてから、 ネットで外貨預金の取引の指示だけ出しておき、実際に外貨預金ができるのは翌日というやり方でも、それほど問題はないかと思います。
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外貨預金のリスク
外貨を購入して預金をして金利を得るわけですから、満期時にドル安(円高)になれば、当然、為替差損(差益)が発生します。
(例)100万円の外貨預金を1年間続ける。金利は4%。
預金時のTTBが1ドル=100円、TTSが1ドル=98円。
一年後のTTBが1ドル= 98円、TTSが1ドル=96円
預金時 : 100万円÷TTB=1万ドルの預金
一年後 : (1万ドル+金利(400ドル))×TTS(96円)
=998,400円
1年間で1ドル2円ほどドル安(円高)になると、せっかくもらえるはずの金利も吹き飛んでしまいます。
もちろん、外国為替証拠金取引(FX)も為替差損(差益)は同じように発生します。
だったら、業者に取られるスプレッドの小さい外国為替証拠金取引(FX)の方がおトクだということになります。
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外貨建て預金VS外国為替証拠金取引
これらの外貨預金の問題点をあげつらって、「外貨預金をするぐらいなら、レバレッジ1倍で外国為替証拠金取引(FX)を行い、 スワップポイントをもらって、 1年後に決済した方がいい。だって、レバレッジ1倍ってことは、100万円の証拠金(保証金)で100万円分のドルを購入する取引なので、 これだと為替差損は外貨預金と同じだからリスクは一緒だ。」と言っているサイトや本をみかけます。
しかし、
これは全くのウソ
です。
スワップポイントは、二国間の金利差で決まるものです。今(2006年)は、日本の金利がゼロなので、事実上、スワップ金利 とドルの金利は同じレベルにあると言えます(必ずしもスワップ金利 とは一致しませんが)。
しかし、一端、日本の金利が上昇し始めると、途端にスワップ金利 は小さくなりだし、 ドルの金利を下回る可能性があります。
【例:円とドルの金利とスワップの関係のイメージ】
| 今 | 3ヵ月後 | 6ヵ月後 | 9ヵ月後 | 一年後 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ドルの金利 | 4% | 4% | 4% | 4% | 4% |
| 円の金利 | 0% | 1% | 2% | 3% | 4% |
| スワップ | 4% | 3% | 2% | 1% | 0% |
※スワップは日米の金利差に基づいて計算されますが、単純に差額ではありません。この数字はイメージです。
このように、日本の金利が上がり続ければ、スワップ金利(ポイント) は段々下がり、 明らかにドル預金をしていた方がおトクということになります。
実際には、2007年2月時点の情勢では、日銀が大幅に金利を上昇させることは1年間ほどないと私は考えますし、少なくとも、 上の例のように1年間で金利を4%も上昇させるとはとても考えられません。しかし、 いつかは必ず金利は上昇します。日本の金利がこの先どうなるかなどというのは、 誰にも分からないことなのです。
手数料のことを考えると、外貨預金が、それほど旨みのある商品ではないことは確かです(手数料は、 いかなるときでも確実に銀行に持っていかれる手数料なので)。しかし、いつでも、外国為替証拠金取引(FX)が有利ということはなく、 二国間の金利の動向次第で、どちらがおトクな商品かは決まります。
ちなみに、上のイメージの例で言えば、結論から言えば、円の預金をしていることが一番おトクかと思われます。なぜなら、 円の金利が上がっている状況というのは、円高ドル安になっていると考えられ、 ドル預金をしていれば、確実に為替差損となっているからです。
詳しくは、 「外国為替の変動する要因」 をご覧下さい。
このように、今、「おトクではない」と考えている円預金でもお得になるケースはたくさんあります。
大切なことは、
サイトや本に書いてあることを妄信せず、商品の特性をよく把握して、 経済情勢にあった商品に投資する
ことが大切だと言えます。
日本が当分の間、ゼロ金利と考えられる現在(2007年2月)においては、
外国為替証拠金取引(FX) が断然おトクな商品
であることは間違いありません